肉体酷使しまSHOW

東広島に下宿をはじめてから一年が経つが、とりわけ地理上の知識が増えたということはない。
ただ、あそこに行くにはこのルートが楽だ、と言ったきわめて個人的な需要を満たす程度の、経験上の情報しか蓄積されていない。


だから、いきなりアパート名を告げられても、そこには行けません。


ということで、今日は社長が家まで迎えに来て下さいました。


あ、知らない方に申し遅れました。
最近成り行きで住宅クリーニングのアルバイトを開始してます。
もしこの記事を読んでいただけるなら、リンク先も、是非。


さて、現地に着きましたが、今日は前回とはまた大きく違うメンバーです。


このあたりをどうやって説明して良いのか分からないので、今日はちょっと箇条書きを挟み込みますね。


■まず言っておくと、この業種は自分が入る「ちょっと前」が繁忙を極めるときだった。つまり、卒業生が出て行き、新入生に引き渡さなければならないからだ。
■そしてこれからも忙しさは続く。大学生の次は社会人の入れ替わりだ。
■自分がお世話になっているところでは可能な限りメンバーを集めて掃除をする。「仕事はとにかく大勢で」。
■そして、ここはスタッフの方達が極めて優秀。ものすごく作業が速い。なかなかビシバシとしごかれる。(そういうのは慣れてるから大丈夫)
■で、人には人の事情があるわけで。そういうことを敢えて書くような趣味は持ち合わせていないのでこの点はきちんと線を引くが、まぁ色々あって(当然と言えば当然だが)人がいたりいなかったり。


最後の部分だけで良かったですね。


今日は全部で5人。そのうち、初めてお会いした人が2人。


でも面識は仕事には差し遣わせるわけにはいかないので。
それぞれの仕事を必死にこなしていきました。



自分はまだ台所しかやれないので、そこに限った話を。


清掃業、と言っても使う道具は基本的にどこででも手に入れられるものが殆どです。


うちで台所で使うものは、雑巾、目の粗い布(どう表現していいかわからない)、ボンスター(洗剤の付いたスチールウールの塊、でいいのかな)、マイナスドライバー、ブラシ、歯ブラシ、洗剤、です。


掃除の基本は「上から下へ」。
当然それに則って作業を行います。


今日は棚の話にします。
全部書いていたらキリがないので、小出しにしていきますね。


棚、あるいは引き出しは、壁の上側や台所の下に付いていますよね。
まず目の粗い布に洗剤を付して軽くこすり(油汚れなどは重点的に)、それから雑巾で拭く、というのが基本パターンです。


ただ、こんな簡単な話ではないのです。


後で実物を確認してみてください。
棚というか、戸を開いてじっと見ていただければお分かりいただけるのですが、これ、結構面が多いのですよ。


まず戸だけで表裏そして四方を囲むゴムがあったりします。後で言及しますが、そのゴムとそうじゃないところの小さな隙間にゴミがあったり、ね。色々ややこしいのです。
で、戸を開けたところでちょっとだけある、戸を止める為の小さい板面。そこを抜けてやっと棚の中に突入です。
それでまた棚の中も端っこの隙間にゴミが溜まっていたりするわけですよ。
よく見たら取っ手の隙間にも同様に汚れているし、戸を開閉させるための金属部分(ああ、名前が分からない……)にも密かにホコリが積もっていたり……。
なかなか厄介です。


だから、清掃業でもっと言うなら、細かいところの処理が必要になってきます。


戸の左右の端、つまり開くと完全に隠れちゃう部分の縦や、棚の中の四方端っこは手で拭いてもきちんとは届きません。


そこで活躍するのが、マイナスドライバーと歯ブラシなのです。


まずマイナスドライバーだと、その先に雑巾をぐるぐる巻き付けます。
そこに洗剤を軽く付けて、力を入れすぎないように注意しながらごしごしとやっていくのです。
これがなかなか効果的で、「おお、こんなところまで!」という感動が。
もしかしたら常識なのかも知れないけれど、これ、便利です。


それから歯ブラシ。よく「使い古した歯ブラシは置いておけ」と言われますが、多分若者はあんまりしません。
これの使いどころは扉とゴムなどのちょっと出っ張った隅との間に溜まったゴミ、あるいは戸の開閉ギミックを成す金属部分、そして、取っ手です。


水で濡らして洗剤を付けて、適度な力でブラッシング。
これがまた、面白いように綺麗になるんですよ。
特に取っ手。ホコリの黒い細い線がくるーっとなっているところを、ざっとこすって雑巾でキュッと拭いて、一気に綺麗になって現れた時は軽く感動しますね。きっと一般的には常識なんだろうけれど。
やっぱり、細かいところでありながらも、そこに行き届いているかどうかは大きく違うんだなぁ、と。
えーと、「細部に神は宿る」?


それから残りの部分はちょっと上に書いた二度拭きで(もっと何度も拭く羽目になったりもするけど)。
とにかく順序よくしないと無駄に時間が掛かってしまいます。ここのパートはかなり時間勝負的なところがあるので、気を抜くわけにもいきません。拭く場所が多いので拭き忘れてもいけません。何気に、棚の側面とかですね。



……今日はその他の部分も含め台所を掃除しました。


で、この部屋は仕上げてしまい、次の場所に行きます。


……はい、忙しい時期なので、連チャンがあるのです。



と言っても今度のアパートでは共用部分、つまり廊下などの掃除です。
箒を持ってザッザッザッザと。


何階を担当するかをジャンケンで決めたのですが、一等になったにもかかわらず「新人は一番しんどいところをやるもんよねー」と至極ごもっともな事を言われたので、一番しんどい場所を選ばせていただきました。


最初はその階の何が大変なのかよく分からなかったのですが、すぐに理解できました。


ここ、上、網。


えーと、箒でざっと掃こうものなら、楽しい雨が降ります。
頭に積もる、服に積もる。
目に入る。


いちいち掃く度に退かなければなりません。
こんな感じです↓



意を決して箒を振るう

『ザッ』

『パラパラ…』

舞い落ちるホコリたちが あらわれた!

pechonは にげだした!

しかし まわりこまれてしまった!

会心のいちげき!(目に)

pechonは しんでしまった!目が、目がぁ!



俺死んでるし。


いやぁ、これは本当にハードでした。かつて無いくらい髪の毛が痛みました。
長い間上を向いていたから、首も痛いし。
久しぶりに箒を使いまくったから、手も痛いし。
明日は筋肉痛必須です。


今日はここまで。危うくさらに次のところまで連行されそうになったけれど、さすがに身体が持たないと泣き言を言って許して貰いました……いや、さすがに慣れていない身に8時間労働(今日は横になって休めなかった)はこたえる……。


これから大学の方が忙しくなるので、完全にそっち優先でやらせてもらいますが、また時間が空いたときに手伝わせていただこうと思っているので、いつか続きを書きますねー。