媚薬の果実

※端的に言って、俺のターン的な単語、表現が含まれます。早い話MUSHIです。MUSASHIじゃないです。ご注意。※


この頃暑くなってきましたね。
少なくとも東広島は暑いです。


春になると変な人が増えると言いますが、夏になると虫が増えます。


我らが広島大学が鎮座する東広島は必要以上に自然に囲まれており、それはすなわち虫の量産工場に囲まれており、つまり夏には生産フル稼働で大変なことになるのです。そんなに需要ないから!



で、今晩の話。
用事で外に出ており、帰り際にスーパーでメロンが安くなっているのを見て(75円)買ってきました。ムェロンなんて学生の分際で贅沢、てめぇはスーパーカップ(メロン味)をフタまで舐めてろ!って感じですが金額的には貧乏(安物)なのでその辺の判断しにくいですね。


同時に2Lペットボトル飲料を購入し、一緒くたにしてカゴに入れたまま帰宅。
自転車を止めたとき、異変に気付きました。



……甘い芳香がする……。



メロンがペットボトルに潰されてました。



あぁぁぁぁああああ!!!



やばい!
レジ袋の底に黄緑色の液体が溜まってるよ!


急いで家に駆け込むと、更なる異変に気付きました。



……なんか……ハエがたくさん飛んでる……。



数日放置していたゴミ袋の中で恐怖の密集が蠢いていました。



ぎょあああぁぁぁああっああっ!!!



衛生兵ーーー!
衛生兵ーーー!!



たたたた大変だッ!!
すぐさま処理しなければサード・インパクトが発生してしまう!
そんなことになれば人類(正確にはオレ)は滅亡だ!


ここで大切なのは、使徒(ハエ)を刺激しないこと……。
使徒のATフィールドを侵蝕しないように、新たなゴミ袋を複数枚用意して、かぶせ……かぶせ……これで、持ち運びの時に反撃行動を起こされても封じることが出来る!
体調の悪さからは想像できないくらい凄まじい集中力を発揮して、そろそろと、ゴミ袋を持ち上げ、次のゴミ袋で優しく包んでいきました。
キュッと持ち手を結び、ドアから飛び出る!
ゴミ捨て場にシュート!
さらばだ戦争を知らない子供達よ!


こうして敵の本丸を落とすことには見事成功したのですが、まだ敵残党(台所で飛んでるハエ)が残っています。


「そうか……最後まであがくと言うのだな。お前達の意地、見せてみろ!」と心の中で怒気を飛ばし、キッチンペーパーをさっと手に取り、ハエとの戦闘を開始しました。


奴らはボソンジャンプするかの如く素早い移動力を誇り、精神コマンド「必中」が使えない上に壁で潰す訳にはいかない自分はやや不利でした。しかし相手はさして戦闘能力を保持していないため、持久戦に持ち込めばやがてこちらの勝利に終わることは必須、だから悠然と待ちかまえるようにして期を待ち、残党が大体片付いた頃に、一息つこうと部屋に移ってメロンの豊穣な甘美さを思う存分に味わいました。早い話しゃぶりついていました。美味。


で、メロンの屍を手に台所に持っていき、ドンと置きました。
するとですね、びっくりしましたよ。



5秒もしないうちにハエがメロンにたかりました



もうね、吸い寄せられるように、スゥーっと。



確かにメロンはフェロモンの如く蕩けるように蠱惑的な香りを辺りに撒き散らし、その魅力といえば人心さえも抗いがたく直ちに収攬されてしまう程でした。ヤバイ。メロンマジヤバイ。マジメロンマジヤバイマジ。


これはメロンという偶然が必然的に産み出した好機!
逃すわけにはいきません。
残る僅かなハエどもよ、覚悟ーーーー!!



あっという間に残党は片付きました。
「大好きなものの傍らで死ねるなら本望だろう!!」と心の中で漫画みたいな台詞を吐いていたのはここだけの秘密です。ごめんなさい。


こうして台所には平和が再びもたらされたのであった。


正直、無駄に疲れた……。
メロンがなければもっと時間が掛かっていたことでしょう。
メロン凄いね。
メロンが好きなのは人間だけじゃないんだね。


そしてやっぱり生ゴミは即日処理に限る!
もうこれから家全体が暑くなるので、本当に気を付けます。


それでまたハエに翻弄されるようならば、やっぱりメロンを買ってきます。


風が吹けば桶屋が儲かる
ハエが飛べばスーパーが儲かる。
ということか。


違うな。