空の8の字

下宿生活をはじめて、なんとなく空を見上げることが多くなった気がします。


大学の友人がたまに空の話をするからだと思っていますが、こういう影響って面白いですね。


新しい人に出会うと視野が開けるだなんて言ったりもしますが、そのあたりの変化は、自分の行動に表れて初めて気付いたりするものです。ある種の催眠術ですかね?




今日も、外に出てふと空を見上げてしまいました。
夕焼け時で、世界全体が薄いセロハンを通したようにほんのりと朱色に染まっていて神秘的。


どうでも良いですが、この写真、雲がぽっかりと空いている部分が並んで、まるで8の字に見えませんか?
こういう意図できない偶然を発見することが、空を眺める楽しみのひとつだろうなと思います。


だけど、夕方の空模様は本当に移ろいやすく、夜のとばりがあっという間に降りていきます。
夕暮れに淡く照らされた雲の白い切れ端もどこかに消えて、空はどんどん薄暗くなり、やがて雲の有る無し関係無しに、均等な黒色に。
そういう絶え間ない変化があるということは、つまりカメラに収める空の様子は全てが別々のもので、もしかすると我が子を撮影する親ってのは似たような事を考えるのかなぁ、なんて思ったり。
自分には遠い、あるいは来ることのない状況ですが……。



今日はアパートの駐車場から撮った写真ですが、同じようにこの空を眺める人がもう1人いたのが印象的です。
「綺麗ですね、ついつい見てしまう……」と声を掛けられた後、その男性は「田んぼの方に行くともっとよく見えるかな」と煙草を吹かせながら歩いて行かれました。
なかなか風流な人だと思いました。









一刻一刻移り変わっていく空模様ほど喜怒哀楽が豊かなものもいないと思います。
毎日同じ場所から空を撮影してみるのも面白いかも知れませんね。