「プレミア」の危機?

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080711/lt.htm


ゲームアーカイブなどに続き、ついにゲームミュージックまで配信されるんですね。
世の中の進歩を感じます。


上の記事によると、7月25日には「バハムート ラグーン」のサウンドトラックも配信されるそうです。ああ! すごく欲しかったやつだ!


声を上げるほど喜ぶものなら、最初からモノを買っておけよー、という意見もあるかもしれません。
しかし、これは13年も昔のゲームミュージック。その頃のCD、しかも時代が時代ですから、そう簡単に手にはいるわけではないのです。
早い話、プレミアが付いているんですね。


プレミアとはつまり希少価値を金額に反映させたものといえるでしょう。
絶版となって世の中に存在する絶対数が限られてしまったり、もともと限定販売で数が少なかったり、まぁとにかく需要に対して供給がうまくいっていない時に発生しますよね。
あとはどうやって数が足りなくなるのか……元から少ないのか、年月を経ていくうちに自然と放棄されたり、壊れたりで無くなっていくのか、経緯はいくつかあるでしょう。


お分かりでしょうが、「バハムート ラグーン」は今ほどゲームミュージックが盛んではなかった時代に、いやそもそもCD自体が今ほどは手軽では無かった時代に世に出たモノですから、無いんですよねー。この時代のゲームミュージック盤を手に入れるのは、なかなか難しいと思います。どれもこれもがファイナルファンタジーみたいに再販されている訳じゃない! 需要も結局は狭い世界に限られたもので、現在の作品と比べれば売り上げも見込めないでしょうしね。



……なーんてことを思っていたら、ついに配信が始まるなんて。
これなら価格が変動することもないし、メーカーとしても簡単に利益が取れてウハウハですよね。
恐らくこれからどんどん出てくるかと思います。


そうして、実物としてのゲームミュージック盤の価値も下がってくるかもしれない。


言っておきますが、自分はあくまで「実物」派。
どうでもいいものならともかく、好きなものは、データではなくて質量を持つかたちで手元に置いておきたいのです。そこは明言しておきます。


しかしですが、世の中には「聴いてみたいだけ」の人も結構いるはずだし、「聴ければそれでいい」って人もたくさんいるかと思います。てか、じゃないとレンタル業は成り立たないですよね。


で、この嗜好はそうジャンルを問わないと考えて、つまりゲームミュージックにも適応できるとしましょう。
とすれば、今までは興味があっても聴けなかった曲達が、そう高くない金額で手にはいるようになっているわけですよ。
そりゃ、利用するしかないじゃないですか!


根本的とはいかなくても、こうして貴重な音源がデータとして配信されることで、オリジナルの実物自体への需要が分散し、希少価値が薄れてしまうのではないだろうか。
そう思いました。


それが良いか悪いかは殆ど意味を成さない議論ですし、作品にとって何が一番かと言うのなら、それはもちろん「一人でも多くの人に触れてもらう」ことに違いありません。
作品が浮かばれる、という意味で、個人的にはデータ配信に大賛成です。
というか、嫌がるのは一部の転売屋、プレミアショップだけ?



ところで、自分はレアなCDを少しだけ持っています(偶然手に入れた)。
とある昔の映画のサントラもあれば、上のゲームミュージックに属するものもあります。
言っちゃえば「パラサイト・イブ」のサントラです。廃盤につき、ちょっとだけプレミア。
だけど、この音源もいつか安価で配信されちゃう可能性もありますよね。


欲しくて買った物なので、その時が来ても構わないのですが、やはり買うときは「おおお! レアなものを見つけた!」と喜んで(中古屋で)買ったので、その時の喜びが後になってぬか喜びになるような、ちょっとそんな空しさを感じるかも知れませんね。
金銭価値云々を抜きにしても、古本屋などで珍しい商品を探すというのは楽しいものです。「プレミア」が減衰していくと、そういう楽しみもちょっと難しいものになっちゃうのかなぁ……なーんて思ったりもしました。


まぁ、難しい話は抜きにして、とにかく「バハムート ラグーン」のサントラ配信は嬉しいなー!
結局そういうことでした。








ところで、自分の本命は「書籍」です! 古書大好き!
手に入れたものがネット上にすら情報・在庫が存在しないものだったときは、なかなか言い表せない喜びがありますね。本ならデータ配信もそうそうされないだろうし、希少性は保たれることでしょう。
……理解されにくいことであることは承知しております。