打ち上げ大会07’

朝から集合がありました。サークルの先輩たちと一緒に遠出して、美術館に行くのです。
自動車で揺れに揺れて1時間半、途中衝突事故も起こしそうになりながら、またCDをトランスミッターでかけようとして、端子を外のアンテナに括りつけようとしたりしながら、目的地に到着。
ぐりとぐらとなかまたち 山脇百合子絵本原画展」
それが今回の旅の目的。字面通り、あの有名な絵本「ぐりとぐら」の絵を描いている山脇百合子の多数(約320点)の作品が展示されています。
感想ですが、もうこれは最高だとしか言いようがありません。正式にデビューする前の絵もあるし、ラフ画もあるし、何より原画でしか感じ取れない作者の筆致がよくわかるので、いち絵描きとしてはウハウハもんです。特に自分が感動したのは配置・レイアウトで、なぜこんな単純そうに見えるオブジェクトを点々と並べて画面を構成できるのかと考え込んでしまいました。上手すぎ。また「かならずその都度スケッチをする」というポリシーの元で描かれた動物たちも、しっかりと特徴を捉えたままデフォルメされており(絵本作家はこれが上手い)、見た目には簡潔でも非常に説得力のあるキャラクターが登場しています。少し歩いては、感動して動けなくなる、そんなことを繰り返してしまいました。もし機会があれば、その全ての人に是非行っていただきたい展示です。自分は入場料だけじゃ申し訳なくて図録まで買ってしまいましたよ!(1500円)


その後、歴史博物館などを回り(草戸千軒という町並みを再現したコーナーが圧巻、これも感動した)帰宅、次は打ち上げに向かいます。何気にハードスケジュール。


正式な大学祭の打ち上げは、みんなで鍋をしました。参加人数が15人とか、途中までは揃っていないにしてももの凄い人数で、容器は2つに。学生ってやっぱそうだよねとか思いましたが、みなさん肉に夢中でいらっしゃる。蓋を開ける! 箸が飛び込む! 肉が舞い上がる!
鳥じゃあないけれど、あっという間に肉は消えていきました。自分は自主的に撮影係に回っていたので、それほど肉にありつけず、まぁいいやと野菜ばかり食べていたり。そして途中、友達が自分の分も取っておいてくれて、心から感謝したり。鍋はサバイバリャーな食事形式ですが、そんな獣性が露わになる最中に自分を思いやってくれて本当に嬉しいです。お母さんって呼んでいいですか
時間が経つにつれて先輩達はどんどんできあがっていき、テンションも最高潮です。お菓子の受け渡しは「投げ」になり、理由もなく手で膝を打ちつづける。一度誰かが笑い出すと便乗、一体何が起こっているのか誰にも理解できない状況が出現しました。酔っぱらいの人ってマジ面白いですね。
騒いでいる時間が楽しいと、やっぱり騒ぐためにこれまで頑張ってきたのかなって思うし、それで結論づけてしまいたくなる。ここまで溜まったうっぷんを晴らすとかじゃなくて、既にそういったものを浄化した上で、「楽しかったね」という気持ちを、楽しみながらみんなで再確認するために騒いでるんだろう。もっと仲良くなりたいし、知り合いたい。宴の席でお酒を飲むのは、きっとそういった内在的な欲求を滑るかのごとく解放できるようにするためだ。相手を知ろうと思えばまず自分を打ち明けないといけない。みんながそう思うから、酔うんだろう。
「青春は酒ぬきの酩酊だ」とはゲーテの言葉。そして、そんな言葉も知らずに酒で酔い続ける学生達は、酔いに酔いを重ねて、ただひたすらに自由になる。そうやってお互い触れあっていく。
きっとそれが「愉しむ」ということなんだろうな。
やっと、お酒を飲む意味が見えてきました。