期間限定帰郷

颯爽と故郷へ戻ってまいりました。


学外展の絵の出来に我ながら唖然、成績がやっぱり「うむぅ……」(予想通りという意味で)だったことに唖然、そうやって幾度となく肩を落としながらも、どうにか精神は保っています。まだ狂ってはいない。


さて今回また帰ってきたのは、親族のちょっとした都合、あんまり話せなかった友人がいたこと、実家のレストランの宣伝が(母校の先生方に)足りなかったこと、まぁそういう理由です。


格通知だけ聞いてまだ会ってない後輩には……やっぱりまた会えないのかなぁ。もう会えないのか。



ま、そういうことは置いといて。



今回はニンテンドーDSしか持って帰ってこなかったので、あんまりゲームゲームできません。


大人しく『DS文学全集』を楽しんでいたんですが……



『坊ちゃん』もの凄く面白いね!



あの語り口がなんとも爽快です。いちいち突っ込みも面白いし(「おとなしく絵筆でも舐めてるがいい」とかいう部分は噴き出した)、夏目漱石ってこういう一面もあったんだねぇ、と。小気味よく、ついつい思わずイッキ読み。


まぁいちいちあんな毒を吐けるあたりやっぱり根暗なんですが(第一、頭がおかしくないと『こころ』は生み出せないと思う)、改めてこの人の才能を実感しました。


次は『吾輩は猫である』でも読もうかな……。



…………………………


〜おまけ〜


帰り際の西条駅のホームでベンチに腰掛けようと思ったとき、ある落書きが目に入りました。



「あいあい傘」です。



「いまどきよくもこんなくだらないものを描く人間がいたもんだ、おめでたい奴らめ。せいぜい温泉卵でも丸呑みしていやがれ」と思ったのも束の間、すぐに別のことへ思考が飛びました。


あいあい傘って、ハートの下に傘があるけれど、これって主線だけ抜き出してよく見方を変えれば……



ハートに矢印が突き刺さっているようにも見える。



しかも、ド真ん中。



わ、割れるんじゃね!?



昔から、あいあい傘を描いたり名前を書いた南京錠をくくりつけたりアヒルボートをえっちら漕いだりするカップルはろくな末路を迎えないと思っていたけれど、そうか、あいあい傘は既にブロークンハートの様相を予言していたんだね。多分、あの絵の数秒後の未来には、上部のハートが見事に砕け散っているんだよ。暢気に温泉卵を丸呑みしている場合じゃなかった。



あいあい傘は破滅へのカウントダウン。



カップルさん、ご苦労様です。