DS補足:7

雨が降る日は引きこもり。値引きを待って1980円で手に入れた『ロストオデッセイ』を始めました。作家の重松清が作中小説を手がけています。
号泣。
なっ、サウンドノベルって、やり方によってはここまで相乗効果を生み出せるのか! おじさん泣いちゃったよ!
自分は「重松清耐性」が無いため、ちょっと泣かせる文章を読もうものならすぐに目からオイルが流出してしまいます。それっぽい言葉を、やたらと読点を交えて繰り返されるだけで流れます。(「だからこそ、だからこそ、」みたいな)「その日のまえに」の時は泣きすぎて水分欠乏になりかけました。「カシオペアの丘で」はまだ読んでません。死ぬのが怖いから。挑戦するときはスポーツドリンクを2リットル一気飲みしてから挑戦します。でもそんな命懸けの読書、出来ればしたくないって言うか最早格闘技の領域ではないか。やめとこう。


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ここ最近ネタが無い感じで逃げてましたが、思うところがあったのでひと記事。
何度も書いた、「食事」について。


そういえば、食費って、どのくらい? という疑問が、新入生の頃にありました。
と言うのも、自分はよくドラマや漫画で「同情するなら米をくれぇぇ」的な場面を見てきたからです。そんなに、食事って、大変なのか。


言っておきます。


欲張ると「死」あるのみ、と。


ミールカードを使用されている方は「食事はだいたい大丈夫」という保障がありますが、油断しちゃあいけません。休日はミールカードを使えません。身銭を切って腹を満たすほかありません。土日をサイフに触れず生き延びられる人なんて、ベランダでネギとかタマネギを栽培している人だけだと思います。あるいは妄想で満腹感を得られる人だけだと思います。自分も妄想甚だしくトチ狂ったこんこんちきのとんちきちだと自覚してますが、妄想界は奥深く、まだまだそういう領域には辿り着いてはいないというのがお恥ずかしい現状です。アクリル水彩同好会にはもっと上がいます。


閑話休題
今回の話の焦点は「休日の食事に対する出費はいかほどか」ということ。


ミーラー(ミールカードを使う人)が多分最初に抱える苦悩は「休日しか自炊しないなら、材料、余るじゃん」というものだと思います。


自分も今まで何玉のレタスを闇に葬ってきたのやら。


そう、一人暮らしというのは思っていた以上に材料の減りが遅いです。調子に乗って「わぁいレタスが一玉百円だぁ!」と喜び勇んで買い物カゴに放り込もうなら二週間後にはゴミ袋に放り込む羽目になります。割高の事実に煮え来る腹を抱えながらも二つ切りの野菜を買いましょう。余りすぎた野菜は味噌汁にしても結局味噌汁が多すぎて飲みきれません。いいですか、なんでも液体にしてしまうと余ったとき処置に困りますよ! 一人鍋は調子に乗ると大惨事ですからね! ハイここテストに出る!


ということで、休日の自炊を志そうものなら、まず「材料を買いすぎない」ことを強く念押ししておきます。これで出費は2〜30%抑えられると言っても過言ではないでしょう。


次に、献立の組み立て方。


お家の人が真面目にお膳を整えていた方なら、やはり「食事はメイン、サブ、ご飯、味噌汁だ」なんていうまともな品数を考えられると思います。実に結構だと思います。


さて、ここで少し考えてみましょう。


ご飯と味噌汁は置いといて、メインとサブはなに? 肉じゃがとほうれん草のごま和えですか?


材料費を冷静に推理。
メイン。肉じゃがを想定します。となると重要なのは肉。牛にしろ豚にしろ買うからには「一パック」買わなければならないわけです。値引きシールは無しとして、これらは一般家庭向けのサイズで売り出されるため少なくとも300〜350円はかかると考えましょう。ジャガイモは安いときに一袋100〜158円くらい、人参も1本50円程度で手に入るでしょう。他の材料は今回スルー(ここは地域差)。
サブは、ほうれん草のごま和えのように、中心となる野菜ひとつで成り立つメニューの場合それをひとつ買えば良い訳です。ほうれん草なら、時期地域お店によって変動しますが、買い時を見るに88〜128円程度ですね。ごまと醤油などは買い置きと考えます。
それで、あとはじゃがいもと人参を味噌汁に流用しましょう。


さて、これで簡単な材料が揃ったわけですが、既に5、600円の出費があるわけです。しかもこれは結構安めに見た場合で、自宅近辺のお店が学生を舐めきって割高な値段設定をしていようものならプラス5、60円は覚悟しておきましょう。


でも、ここまでの出費、結構痛くないですか?


問題は「一パターンの食事でこれだけかかる」こと。土日とも同じメニューで終わらせるのは、ちょっと味気ないですよね?


……と、ここで欲が出るから死亡フラグが立つのです。神に近づこうとしたイカロスが羽をもがれるのです。例えおかしい。


お分かりいただけたでしょうか。食費を気にしながらメニューを組み立てると、大概「ボリューム不足」という問題に直面してしまうのです。しかしもっと小皿を増やしたいと思えば、材料費もさらにかさむ。



ここから詭弁の始まりです。



お気づきになられたでしょうか。
ここで「すき家」の存在が脅威になってくるのです。


すき家は学生にも愛される牛丼豚丼チェーン店。一食500円前後で済んでしまいます。


お分かりいただけますでしょうか。
これに「カップ麺」を足すと、とんでもないことになります。


昼、カップ麺。夜、すき家。合計600円なり。


さぁ大変だ! 自炊をしないのに同じような値段になっちゃったぞ。え、朝ごはん? 前夜夜更かしして昼起きれば良いのさ!


ミールカードは土曜の昼まで通用する。ということは、昼に腹にため込んで、夜はカップ麺、翌日はカップ麺とすき家のコンボ。これで合計1000円に届かず、余る材料も何もない。栄養バランスが気になるなら野菜ジュースを飲んでおけばいい。なぁに、平日は食堂が滋養たっぷりのメニューを用意してくれる。それよりも見よ、こうすることで自炊にかかる時間が全て浮いてしまうではないか。


ここまで詭弁を発展させてしまうと大変です。
実際成り立ってしまうから大変なんです。
現実これで自炊を避けきることも不可能ではないのです。


自炊がコスト面でカップ麺とすき家に対抗するのなら、もうカレーなど何日にも渡って食べ続けられるものを作るしかありません(ガス代大変だけど)。だけどコスト面で考えると自炊は大概不利です。こうなるともう、自炊派は「自炊そのものの楽しみ」に存在理由を見出すしかないのではないかと思います。


例えば、食堂よりもすき家よりも美味しいごはんを作る。
例えば、挑戦した料理を成功させてその多大な達成感を味わう。
例えば、自分で作ったものを誰かに食べさせてあげる。
例えば、そこからラブラブイベントを発生させる。


そういうところを尊重するしかないのではないでしょうか。「食費を抑える」手段として自炊を選ぶには、一人暮らしはチトきつい模様です。本気でやるなら鳥のムネ肉しか食べられなくなっちゃう。



こう言っておきながら、自分は自炊好きです。忙しいときはやる気が失せますが、余裕が生まれると何かに挑戦したくなります。


とは言え、自分の挑戦は割と大変なものです。トマトからトマトソースを作ったり、リゾットに挑戦したりするので、妙に時間が掛かります。いつも1時間半くらいおかずに掛けてしまいます。ヨーロッパには敵わないとはいえ、少し時間を使いすぎ。さらに、彩りとアクセントを考慮して色々野菜などを揃えるものですから、買い出しは夏目漱石が確実に一枚逝ってしまいます。時には二枚逝ってしまいます。三枚までいくと自分が逝ってしまうのでやりません。


そのくせ初心者なので、味には満足がいかない(例え簡単な料理でも)。ここの試行錯誤が楽しいのではありますが、頑張って作ってイマイチだとちょっと心が折れそうになります。こういうときの葛藤がきっと自炊派と外食派を分けてしまうのではないかと思ってます。


だから、「自炊をやろう!」と心に決めている人は、「食費が結構かかる」ことと「初心者だとやっぱり大して美味しくない」ことを覚悟してください。義務でない料理は、好きじゃないと続けられません。ウインナーを炒めるだけとか、そういうのは自炊とちょっと違うと思います。


しかしだからこそ、自炊を真面目に続けられている人が光るのです。食堂に自前を持ち込んでいる人を見ると心の底から尊敬します。お嫁に貰いたいくらいです。だけど十中八九断られるからしません。


自分の周りでは、大学生になってから自炊を志した、今でも真面目に続けている、なんて人は殆どいません。向上心を失い、惰性で軽く作るような人が多い……。やっぱり意識してやらないと、技術も身につきませんよっ。


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〜おまけ〜


参考までに、自分が家に常備している調味料類を。


岩塩:ミルで削るやつ。一応「古代塩」と呼ばれる類のものです。鋭い辛さで、肉に振ると劇的に美味くなる。たびたび言いますが、塩にこだわるだけで肉料理は格段にレベルアップします。スーパーでお求めになるなら、アルペンザルツあたりをどうぞ。


胡椒:これまたミルで削るやつ。いいですか、S&Bのテーブルコショーとかそういうものは偽物みたいなものですから! これまた肉料理やラーメンに入れると引き立ちます。安物と比べると味の違いは歴然です。手が届くのであれば、是非お買い求め下さい。削り立ては香りが違います。


一味、七味:辛いもの好きなので。おかずをいっぱい食べたいときや、見た目に赤色が足りないときに。


バジル、パセリ:緑色は外観のアクセントに便利です。イタリア料理を作ったときは、是非最後に一振りして香りをつけてください。


にんにく:乾燥でも何でも。中国産はイマイチなのですが学生は贅沢言ってられない。炒めて香りを立ち上らせるなどします。


醤油:断然、こだわった方が良いです。トップバリュとかそういうのを使ってると味覚が狂うのでやめましょう。割と好みが出るので一概にどれが良いとは言えないのですが、地元銘柄のちょっとお高い感じのやつとかに結構良いのがあったりするので、色々試してみるのも面白いかも。ただ、醤油は値段に比例して良くなるとも限らないので、そこんとこ要注意です。


味噌:ここはまだ未開拓なので普通のマルコメを使ってます。味噌って長い間使っていないと面白いことになるよ!


お好み焼きソース:四の五の言わさず「オタフクソース」、これしかない。これ書くと「お前どんだけお好み焼き食べるんよ」と思われるかも知れませんが、この手のソースは焼きそばなど炒め物の味付けにも使えて便利なんです! 同様に、焼き肉のタレも味のベースとして使用することが可能です。(ただし味の傾向が偏る)味付けに自信が無い人は一度お試しアレ。