『HEART STATION』

みなさんこんにちは、今日の食堂で豚の角煮丼に騙されたpechonです。なにあの肉のスカスカ感。



今日は1も6も付かない日ですが、メディアでCDを借りてきました。(そのレンタルショップは1か6の付く日は半額)



宇多田ヒカルの『HEART STATION』でございます。



普段あんまり音楽の話をしませんが、さり気なく色々聞いていたりします。
んで、宇多田ヒカルはさらにさり気ないことに、アルバムは全部聴いていたりします。


そして、半額デーになると店頭から跡形もなく消え去る今回のアルバムを、我慢しきれなくなってついに今日借りてきてしまったのです。


うん。



今回のはヤバイ。



あれ、宇多田ヒカルってこんな音作りしてたっけなぁ? 前作はかなり実験的でイマイチつかみ所がなかったけど、今作は凄く歩み寄りやすい。


全体的に透明な音でバックグラウンドを構成して、従来よりもやたらとブレスというか、消えていく呼吸の音を使っている気が。


特に、最初の曲の流れは凄い。シングルカットされた曲ばかりなのに、歌い手が居る世界がまったくぶれていない。目に映る色も、空気の匂いも、風の強さも、温度も。


歌詞には載っていない音が素晴らしいのです。
字面の上での行間に存在している主張が全てなのではないかと。


こんなの参考にならないけど、聞いていて浮かび上がった映像イメージは、「桃色あるいは青色を帯びた蓮の花が光を透き通しながら開いていく」という感じのもの。そしてどこからか水が流れ落ちていく様子が勝手に脳内に描かれました。



さて、曲について。


相変わらず歌詞のセンスがすごく良いです。ともすれば押しつけ気味になってしまうような主張を、ちょっとユーモアを交えるというか、不思議に軽い言葉でさりげなく喋っちゃっています。最初の曲(Fight The Blues)の『くよくよしてちゃ敵が喜ぶ』というフレーズには感心しました。うまいなぁ。


それから今回それぞれの楽曲を初めて通しで聴いたのですが、『Flavor Of Life』は凄く良い曲ですね。ヘッドホンの大音量で聴いていて、この曲の前後は感動のあまりぼろぼろ涙がこぼれてきました。自然に。改めて、「あまり圧倒的な表現に触れたときに人間は涙する」ことを実感しました。玉置浩二の生歌声を聴いたときとかね!


それで、その他のメディアで垂れ流されていた曲達も、ああ、こんなに良く練られた曲だったんだなぁ、と。かつて友人とエヴァの劇場版を見に行ったとき、道中で「高橋洋子以外がエヴァの曲歌うなんてあり得ないよな」とか言ってたのに、スタッフロールが終わってから「良いじゃん、宇多田ヒカル」ってころっと意見を翻していたことを思い出しました。


ぼくはくま』はあまりに才能が炸裂しすぎていて全感覚が吹っ飛びます。本人が一番好きと言うのも頷けます。


なんか、メロディーのキャッチーさだとか、フレーズ単体のインパクトとか、ネームバリューだけで世の中に乱用されているのが惜しいです。ひとまとまりとしての楽曲の完成度が神髄だと思うので、これらは是非とも、最初から最後まで味わうべき思います。「ながら」で聴いちゃいけない。



個人的には今までで最高の出来だと感じました。
レンタルで済ますのが惜しいので、これは買います。即座に。


と決意して、財布の中身を検めたのですが、




新渡戸さんが外出してるんですけど。




え……?


そんなはずはないよ……?


昨日は確かにあったはず……。


昨夜友達と行ったスーパー、本屋、今日行った食堂……。


まだ転居届(レシート)もらってないよ……。


あれ、まさかのまさかですか?




死にたい。




うぉぉぉぉぉ!! アリエネー!!!
普段からその辺のことはかなり警戒しているはずなのに!
盗られた? 落とした? そんなことなど!
領収書から計算しても明らかに数字が合わないんですけど!
見間違いとか多分ないんですけど!


ちょっと荒れてきました。


思わず手近にあったおやつの袋を布団に向かって全力投球しました。


 □ 腹立ったらモノにあたる。 モノ投げる。
 □ その際、壊れてもさしさわりないモノ選ぶ。そこは冷静。
 □ 結果、手応えなさすぎてもっと怒りが増す。


昨日の『B型自分の説明書』の内容がバッチリ当てはまることに気付いて更に腹が立ってきた。



腹が立ちすぎて気が狂いそうです。
5000円……5000円……とか呟いています。
「pechon 〜without NITOBE〜」です(意味不明)。



……いやいや、いけない。
いちいちお金のことでくよくよしていたらキリがないっての。
自分自身、今までお金のことで破滅していった人間をいろいろ見てきたのに。
ここで自棄を起こして一体何の「今までの経験」だというんだ。
注視すべきは自身の怠りと、平気で悪事を働く人の心(盗まれたのなら)ではないのか。
そういうあれこれをどうにかするのが、若者のこれからの使命だろ。


ということで、何かよくわからない詭弁を自分自身に捲し立て、がばっと煩悩とかそういうのを打ち消しました。負けていられるかー。


折角教科書代を4000円くらい浮かしたのになぁ……これじゃあ何をやっているのか分からないですわ。


気を付けよう。


やっぱり自分は3000円以上を一度に持ち歩くべきじゃない。


はぁ。



ぼくはくま』に癒されてきます……。