2008 Nコン県決勝

書き込みまくっても仕方ないので、それなりに軽めに……いや、必然的に長くなる。



望む太陽の姿が見えぬ、雨模様の湿った空気、駅に集う傘の群れ、少し暗めの人の顔。


とかく行事には晴天が求められますが、今日は実に真逆を行くお天気模様。


Nコンの決勝で雨、というのは、個人的にも初めての経験です。


天候は関係ないだろうけど……現役生たちはぐずぐずと気を揉んでいる様子。
当然です。自分も、また、他の学年の人たちもかつてはそうでした。



昨日の準決勝を経て、本日の決勝で再び発表・審査される個人や番組が発表されます。
準決勝から続けて応援に来てくれたOB・OG(まぁ自分もだけど)、今日頑張って応援に駆けつけてくれたOB・OG(以下OBに省略)。現役生もさることながら、かつて引退をした人たちも緊張に包まれた面持ちです。



発表。



アナウンス。
朗読。
テレビドキュメント。
テレビドラマ。
ラジオドキュメント。



以上の部門が、発表の機会を得ました(ラジドキュは地区大会で決定済み)。
部門毎に、2人であったり、1作品であったりしますが、とにかくこれらの部門です。


昨日自分が見る限り、自校のラジオドラマも残って良いんじゃないだろうか? と思ったのですが……どうしても、そういうことは思い通りになりません。あくまで個人的には、好きでした、本当に。
この辺りは人によって決着のつけ方が大きく異なると思うので、込み入ったことは言えませんが。



この朝の発表の時点で涙を流した生徒もいたことでしょう。
それはうちの高校のみならず、他校も同じこと。
喜び、悲しみ、色んな想いが会場で渦巻いています。
しかし、立ち止まる訳にもいかないのが決勝大会。
個人で残った人はこの日渡される原稿を、思うような結果にならなかった人も含めた他部員達と一緒に準備をして発表しないといけないし、番組の人はちゃんと見に行かないといけないし、また1年生たちにどの部門に見に行かせるかの指示をしなければなりません。
とにかくバタバタするのが決勝なのです。



放送部で、面白いなーと思うのは、殆どの場合、個人発表部門あるいは番組部門どちらかに特化して(たしかに番組はみんなで作るのではありますが)、OB・OGはこうやって決勝の発表が行われると、それからどういう風に動くのかが違うんですね。
つまり、決勝大会で発表する個人の指導を急ぐ人と、頑張って番組を視聴して、自分なりにメモをがりがりと取る人といるわけです。
全ては後輩達のために。



自分は、久しぶりの(と言っても2ヶ月は空いていない)1つ下の後輩2人と一緒に、テレビ番組を見に行きました。3人とも番組をやっていた人間なので、やっぱり番組のメモを取るのが筋ってもんです。会場は殆ど現役生で埋め尽くされ(当然だ)、やや場違いな感が否めませんが、いちいち休憩時間に「さっきの○○ってさ、なんで△△だったんだろうね」と会話しながら楽しく鑑賞させてもらいました。溺愛していた後輩なので傍目にデレデレだったと思います。孫が生まれたおじいさんか。



どうでもいいですが、自分はメモを結構取る方だと思われます。
もう後輩にあげちゃったので正確ではないですが、8分の番組1本で、ルーズリーフにきっちり6行前後は書き込みます。
違和感、わかるミス、そして構成上の欠点、技術・表現のテクニック、自分なりの改善提案etc……メモるジャンルが多いからなんでしょうね。


いつも実感するのですが、他人のためのメモは難しいです。
自分が読むだけのメモは割といい加減で済むのですが、他人が読むとなると、表現に一般性を持たせなければならないので、それはつまり番組鑑賞をするリアルタイムで言葉選びも行わなければならないわけで、それなりに、疲れます。楽しいけど。
おそらく他の人と比べてかなり辛辣なコメントをするので、他校の人が自分の番組に対するコメントを読むと軽くショックを受けられると思いますが……大丈夫、きっとこっちが見当違いだから! 「ドキュメントじゃなくビデオレターだね」「素材が良いのに近づけていない」「ノイズの処理がいい加減」「言葉の強度に頼りすぎ」とか、もう言いたい放題なので。性格悪いです。


お昼からはテレビドラマも(途中から)見ましたが……ふむふむ。
今年のテレビ番組は、全国大会常連校とそれ以外の実力差が如実に表れているなぁ。
総括的に言って「技術」の差。
機材の高性能化に頼りすぎて、部員そのものの高性能化が遅れる(蔑ろにされる)とかつて予想したのですが……なんかその通りになっているような気がしないでもありません。
構図の甘さ(画面の情報量に対する無関心)、カメラ技術の過信(フリーハンド撮影)、統一性への無関心(字幕の表現がバラバラだったり)……挙げればどんどん出てきます。
「技術」というのは表現者の総合的な実力とも言えるもので、正直、今年の放送部の技術力は、低下しているとも取れるでしょう。
もちろん、物凄く面白い番組もたくさんあるのですが。
でも、斬新な(初めて見る)表現というのは、自分が見た限りでは無かったかな?
やっぱり番組は難しい……。(斬新さの重要度についての議論はそれだけで記事になっちゃうので割愛)



どの部門の発表も終わり、全国大会へ行ける人・番組の発表が近づいてきました。
会場の席に着き、さてその時を待ちます。
左隣で1つ下の後輩が、タオルをぎゅっと握って震えていました。
右隣で1つ下の後輩が……こっちはあんまりそうでもないけど、いやしかし緊張していました。
え? 自分?
去年ほどではないけれど、やっぱり緊張していました。
胃がちょっとキリキリ言ってます。
ある確信は抱いていたけれども、やっぱり結果が出るまではねぇ。



各部門の講評が終わり(ウチの大会はプロ、NHK職員の方にしていただけます)、さぁ、発表の瞬間!



アナウンス……3位入賞。


朗読……2位入賞。


テレビドラマ……3位入賞。


ラジオドキュメント……4位入賞。(ここちょっと違うかも?)



なんと4部門での入賞、全国大会出場。
後で聞いた話によると、ウチの放送部の歴代記録タイだそうです。


そして、実に7年ぶりの「学校賞 優良賞」(各順位に点数を割り当て、その獲得合計点数により決定)を受賞しました。
実質的に県で3位という結果です。
参加校(予選より)が100を超える県で、この結果は素晴らしいものです。
他の部門よりも「みんなで獲った!」という感じが強くていいですね。
本当はどの部門も「みんなで獲った!」ものなのですが。



さて、この日、思うような結果が出なかった人もたくさんいたわけで。
自分も正直、発表を聞きながら、喜びと嘆きがごちゃごちゃ混ざって奇妙な気持ちでした。
2つ以上歳が離れているのに、やっぱり、きますね。



ここを書いていくと本当に収集がつかないので敢えて書きません。
ただひとつ書くとすれば、みんなで円陣を組んで、そのときに3年生が「悔いはない」「自分の発表に納得している」「楽しかった」と言ってくれたことです。
それでいい……本当に、それでいいと思います。
必死になったからこそ言える言葉でしょう。
やりきったからこそ言える言葉でしょう。
色々と、本当に色々あったと思いますが、自分としては「よくやったなぁ」と拍手を送りたいです。あー、なんかもう上の括弧文を書いているだけでまた涙出てきた。


終わったわけではないけれど、ひとまずお疲れ様でした。
もう関係ないだろと言われても仕方ないですが、本当に嬉しかったです。
OBの人たちも、同じような気持ちだったと思います。


そう、大切なのは過程。
結果が出たから嬉しい……いや、確かにそれも事実なのですが、部活に打ち込む自分がいつ輝いていたのか。
それは紛れもなく、部活をしていたその瞬間なのです。
喜びを噛み締めるために部活に励むというのが一般的かと思います。
しかし後になってから振り返ると、その時喜びを噛み締められるのは、結果が出た時の思い出ではなく、部活を頑張っていたなぁと思いめぐらせた時なのです。


今日はいきなり喋れとトップバッターにされて、その時も過程について話しました。


「過程の一瞬一瞬、その次の瞬間には「自分の部活はもう終わっているんだ」と覚悟して打ち込むこと。きっと3年生は誰もがその思いで燃え上がっていたでしょうし、後輩のみんなはその姿をよく覚えて、後になって「こういう結果を出した先輩はすごいなぁ」ではなく、「ああいう風に輝いていた先輩はすごいなぁ」と思い出して、そして次はみんなが頑張ってください」みたいなことを言いました。


過程を大切にしろ、という自分の主張にはひとつ裏がありまして、ここちゃんと読み取って貰えたか分からないので身内向けに補足。


「いい過程」にするには、何が必要でしょうか。
それは、「いい目標」です。
「いい目標」とは、なんでしょうか。
それは、「望ましい結果」です。
「望ましい結果」を得るためには何が必要でしょうか。
それは、「いい過程」の絶え間ない連続なのです。


ということで、ワタクシpechonの主張によると、過程と結果は表裏一体のものでして、どちらかにこだわると言うことは、もう片方にもこだわることになるのです。
先輩になって責任感が強くなってくると、どうしても「結果を出さなければならない」という気持ちが膨らんできます。それが当然だし、それでいいと思います。
その時に、「結果を出さなきゃ!」で思考を終えるのではなく、そこから、自分なりに考えを進めていってほしいなぁと。
いいものというのは、いい思考から生まれるのです。



……はい、以上が今日の出来事(主題編)でした。



ここからはちょっとふざけたことを。



後輩有志(と言ってもほぼ全員)と、またOB1人も一緒に、とあるバカ盛りの中華料理店に行ってきました。


「お客様何人でしょうか?」
22人です
少々お待ち下さい


全く動じない対応。
素晴らしいです。


さすがに全員が一緒に座れる席は無いので、小分けして近くの席にばらばらと。
注文しますが、ここはかつて書いた「けいすけ屋」に匹敵しそうなくらいの大盛りなので、注文には注意を要します。味はこっちの方が別次元的に優れていて、値段も安いのですが!
かつて後輩と一緒に行ったときは、隣の女の子がとんでもない量の天津飯を出され、あまりに多すぎて食べきれなかったので自分が食べ、結果的に通常の大人の2.5〜3倍の食事量になってしまったこともあります。
しかし3つ下の後輩がかつてここで「大食い大会」を敢行し、今日もバカ盛りの「肉丼」に挑戦すると言ったので、自分も負けじと蒸しそば、水餃子を注文しました。


やがて並べられる大皿。
蒸しそば、バイキングのこっちが取り分けるのじゃなくておかずがたくさん入れてある方の皿みたいな大きさでした。ギャグか。
自分が座った席は1人ひとつは注文したので、テーブルギリギリまで食器が並び、傍目にはどうしても「大食い大会」です。みんなに写真撮られました。


モリモリ食います。
酢を1人で使い切ってしまいました。
「すいませんお酢なくなりました!」と言ったらみんなに爆笑されました。
後輩が注文した卵スープが美味しそうでした。
注文しました。
酢をまた使い切るところでした。
30分くらい食べ続けてようやく完食しました。
みんなに気持ち悪がられました。
後輩は疲れのせいで食べきれず、ダウンしました。
途中からみんなで写真撮りまくり。
他のお客さんがみんな帰ってしまったのでやりたい放題。
自分もしんどいので特にツッコミしない。
何この宴会。



うわー、すごく楽しかった。
みんな面白いなぁ。良いキャラしてるよ。
積極的に何でも話しかけてくれる後輩が何人もいて、「3つ4つ歳が離れていても成立するのか!」と嬉しかったです。
番組の話とかはあんまり出来なかったけど……それは夏にやりましょうか。
え? もういい?
いやいや、今年来年と顧問の先生が転勤されるので、これからしばらくはOBで指導をやらないと間に合わない部分がかなりあるんですよ……本当に……。



今日は「泣いたり笑ったり」がよく似合う1日でした。
過密なスケジュールを無理にこじ開けて来た甲斐があったと思います。
放送部部員はみんな「まとも」ですね。癒されます。
そしてやっぱり後輩はかわいいなぁ。かわいすぎるよ。誰か連れて帰りたいくらい。ってか、本当に連れて帰っていいですか? かわいすぎるので。
自分が被ってきた帽子を「なんかイメージに合わない」とかつての同僚にこき下ろされ、憂さ晴らしに後輩に被せてみたらなんか妙に似合って心を揺さぶるかわいさだったので、もうあげちゃおうかなとか思いました。踏みとどまったけど。
これから矢面に立つ2年生にも、後輩を存分にかわいがって、どんどん成長していってもらいたいです。帽子はともかく。
これからも、出来る限りはお手伝いするので、なんでも言ってくださいね。
ひとまず、お疲れ様でした。
しかし準備を含め、全国大会も頑張ってね!



さぁ、明日からまた大学だ。
殺人的な忙しさで、もう、テスト・課題・テスト・課題で交互に並べー! って状態なのです。
しかし俺にはこの2日間で得た精神的な活力がある! 負けるものか!