「チン」への妄言

pechon2007-07-12

晩に、群ようこのエッセイを一冊読了。集中しておなかがすいたので、近くのコンビニへ歩いていく。そこでスナックランチという小さな弁当(ちなみに、「ランチ」だけど午後5字製造だった)をレジに通す際、まぁ当たり前だが「温めますか」と聞かれた。家が近いし、少し冷めてしまうのもいやだなぁと思ったので、別に構わないと答えた。


「ありがとうございます」と返ってきた。


そんな返答、初めてだ。


袋を断ったり、割り箸を断るのは分かる。向こうにすれば明らかな経費削減だし、環境何たらの名目もある。むしろこっちが断らなければ、チッ、と舌打ちされるのではないかと心配する今日この頃である。だが今回は「電子レンジ」だ。コンビニのてかてかしい照明や、よく考えるとすごい量の冷温機。それらの電気代に比べると、電子レンジの「チン」だなんて些細なものだろう。だから、営業側としては、電子レンジのサービスは「あってもなくても、こっちは一緒」くらいの考えで(応対作業が格段面倒になるわけでもないし)、客が「別に温めなくて良いです」と言っても「ハッ、そうかい」というくらいの気持ちでしかないだろうと思っていた。


それが、「ありがとうございます」だ。 やられた。


いや〜おじさん弁当の代わりに心を温められたねぇ(寒い表現)。それとも、最近のマニュアルがそうさせているのだろうか。何とも親切な世の中になったものだ。(個人的には、今回のバイトが大物だとふんでいるが)


でも、電子レンジとはいえ、日本中で一斉に「“温め”を断る」ことが起きれば、どうなるのだろうか。


 「みんな冷たい弁当を無理矢理食べる」 


あまり想像したくないし、「そんなことするくらいなら、ざるそばでも食えよ」と言いたくなるような光景だが、それによるコンビニへの影響を知りたい。そんな運動が起きたらどうなるだろう。スローガンとかつくって。


 【ちょっとまて チンする前に ひだりみぎ】


いや、なにが「ひだりみぎ」なのか意味が分からないが、多分、こんな感じだろう。みんなレジで“ひだりみぎ”するのだ。帰り際の講習所のおっちゃんも、その光景をみて思わず顔がほころびることだろう。


さて、そんなことを言いましたが、自分は今日も家で「チン」してしまった。言い出しっぺがこれじゃあ、やはり実行は凍結せざるを得ないようだ。
さらば、ひだりみぎ。