漫才字幕編集(終わり)

書くといいながら書いていませんでした(それが多い)、ボランティア実習での漫才字幕編集。


とりあえず、ケリはつけています。


正直、終わってしまった以上、前回の記事に加えるコメントもあまりないんですが、完成品を自分で確認してから思ったことをいくつか。


■前提条件として、漫才についてどれだけ知っているか(経験があるか)が重要になってくる。
■視覚情報だけで漫才のスピードを把握するには、どれほどの時間が掛かるのだろうか。例えば畳み掛けるという手法について理解が無いならば、勢いをもって流れていく字幕についていけない(又は出遅れる)気がする。繰り返しを共用せずに、可能な限り素早く読み取ってもらうには?
■やはり序盤の完成度。つかみの強さ。
■面白い漫才は、しっかりと字幕を付けてやれば音声なしでも確かに楽しめるようだ。
■字幕は字である以上視認されなければならない。となれば元の映像の色に合わせたコントラストを用いる必要がある。あまりにセンスの無い配色なら、注意がそがれる恐れ大。
■一人のセリフが長いとき、どうやって表現するか? 一度に出し切るのか、少しずつ区切って、しかし予め空白を用意してセリフを表示させていくのか。一度に出し切る場合は読む速度と実際の漫才の速度に差が出る恐れ。少しずつ出していく場合はやはり空白が気になる。つまり、まだどんでん返しなどが用意されているという予告なので、例えばミステリー小説を読むにつれ残りページが少なくなり「あー、ここでもう一度波乱があって終わりかな」と思うような、ちょっとした心構えを作らせてしまう。笑いは不意を突かれて生じる場合が多いので、この点でやや難があるか。
■言葉の終わらせ方で特徴を形成しなければならない。とっさの言葉の使い方で性格を表さなければならない。コンビの漫才なら結果的に色分けしなくても区別が出来るようにしなければならない。
■文字の大きさと、その大きさがどれほど画面を邪魔するかを考える必要がある。言葉を発する口が隠されてしまうのは、やはり漫才自体の魅力を減らしてしまうのではないだろうか。
■漫才を見ると言うことは字を読むことではない。かといって、字を見ることでもないだろうから、まずここが永遠のジレンマだ。
■字で表現できるのは、勢いと、間と、スピード。
■声量に応じてフォントサイズを変更するという手段もある。ただ、漫才はその中で声の大きさが何パターンもあるので、明確な基準を設けない限り収拾がつかなくなってしまう。また、字幕を付ける芸人によっては、非常にしつこい画面になってしまう恐れ。安易に乱発できない。
■字幕が存在しない時をほんのわずかでも作るだけで、ずいぶんと雰囲気が出る。
■間の表現については、字幕での表現は音声に引けをとらない。
■全てを伝えられないと覚悟した場合、では絞って何を伝えることが最善なのか?


とまぁ、こんなところです。誰が読んで、誰の役に立つのだろうか。(同じ活動をしてる人?)


漫才字幕編集自体は、一本仕上げるのにもそれほど時間がかからないはずなので(ソフトが悪くなければ)、量産性は決して低くないです。ただ、動画編集の類は性質上、経験が物凄い差を生むので、どうしても放送部あがりの人じゃないとこなせない、あるいは面倒すぎてこだわりきれない恐れがあります。つまり、漫才に限らず映像(大体においてエンターテインメント)に字幕を付けていく作業を行おうとすれば、まず人員を育成する環境を用意する必要があるはず。しかしこれは自分のような映像編集オタクに押し付けてしまえば良いだけで(放送部経験者だと、後輩に教える必要があったからきちんとこなせるはず)、作業人数さえ欲張らなければ、それこそ簡単なセミナーを休日に行うだけで大丈夫かと思われます。


あとはやはり、ソフトの問題です。
前にも書いたEDIUS、あれが理想的な気がしますが、色々と問題がありまして。
それは、恐ろしいくらいマシンスペックを要求すること。そして、字幕編集に使うタイトラの出来がよろしくない(今は分かりませんが……)ことです。
前者は広大のボランティア活動室の設備なら解消されるでしょうが、後者がきつい。動作が、重いんですよ。
ならば他のソフトを使えよと言ってしまえばそれまでで、実際に解決するのかもしれませんが、残念なことに自分自身が他のソフトを体験したことが無いのでなんとも言えません。よって、この記事はここらあたりから怪しくなってきます。すみません。


さてとりあえず話を戻して。タイトラが微妙なのに、何故EDIUSを推すか? ということです。


それは、スペックさえ適えば最高のパフォーマンスを叩き出してくれるからです。
EDIUSはタイムライン上、つまり映像や音声をクリップとしていじくり回す際の動作が非常によろしいのです。軽快かつ、理に適った動き。分割やらリップル編集なども良い反応なので、慣れてしまえば凄まじい速度で編集することが出来ます。レンダリングに力が入っているのも良い。ショートカットがなかなか痒いところまで手が届くので、マウス操作との按配を上手く調整すれば、例え締め切った部屋の中、ナレーションを収録するその目の前でも、収録には問題ないほど静かに作業を続けるコトだって可能です(まぁこれは大概のソフトで可能でしょうが)。
それから、タイムライン上のクリップの表示がべた塗りではなく、音声を折れ線グラフで表示してくれている点が強い。これでにより字幕を入れるタイミングがかなり分かりやすくなります。極論してしまえば、声を聴かなくても大体合わせられる。(ちなみに、漫才の台本というか、セリフは別作業で文字に起こしてあります)


ただ、繰り返しますが自分は他のソフトをろくに知らないので、ある程度のソフトなら、同様のことが出来るのかもしれません。まぁ、とりあえずはEDIUSの扱いに熟達して、「使いやすいな」と感じているから推しているというだけです。今は自分のパソコンしか扱えないのでスペックが足らずEDIUSを使えませんが、いつかまた高性能のパソコンに積んで遊んでやろうと企んでいます。


おっと、漫才字幕の話からカノープスの回し者みたいな話になってしまった。
えー、一応この話題についてはここまでです。来年度以降同様の作業をさせてもらえることがあれば、また書くと思われます。



……うーん、映像編集がからむと日記では収集がつかなくなるなぁ。番組制作なども含めて色んな人が議論する場所はないものか。