『仮面ライダー剣』
筆者pechonは今年二十歳を迎える。(前置き)
全部見ちゃいました、仮面ライダーブレイド。
5日毎にやってくるレンタル半額Dayを活用し、一ヶ月程度で全12巻、話数にして49話を制覇!
全体の感想、意見などを2部構成で書きます。後ろが本番。
あ、今回のレビューには気をつけてください。
腐り落ちた女子的なものが容器ママのプリンにおけるカラメルのような位置に存在しています。
ドイツ語読みにしてベーでエルなるものが振る前のつぶつぶジュースにおけるつぶつぶのような位置に存在しています。
そしてそれはあなたのとなりに。
となりのエイトオーワンちゃん。
まぁ、ライトに書いているので多分大丈夫。
耐えられる方はどうぞですー。
レビューを見る際の最重要ポイント、「見る価値はあるかどうか?」ですが、
我慢強い方は手にとって下さい。
というのも理由があって、この作品、序盤のスピーディーすぎる展開にどうしてもついて行けないのです。キャラクターの行動にちょっと疑問(動機付けなどで)があったり、なんかぐずぐずしていたり、しかし固有名詞はバンバンと、とにかく内輪向けの創作のようによく意味がわからない。ここは非常に残念です。入っていけねー。
で、我慢強い方は、というのは、我慢する価値があるから言うわけで。
今作は、後半からの追い上げが凄まじいです。
平成仮面ライダーは大概後半からトンデモ展開している気がしますが、例に漏れていませんでした。
(少々のぐだぐだ感をはらみながらも)人間関係の揺れ、裏切り、友情の芽生え、正直ちびっ子には絶対理解できない方向性に進んでいきます。
特に、信念のぶつかり合いという面が大きく、もちろん肉弾戦もするのですが、それ以上に考え方で仲間内でさえも衝突が起こるというのはなかなかリアルで、見応えがありました。
そしてラストは、世界を救うために、信じられないくらい衝撃的な選択がなされます。
ヒーローものでこんな終わり方をするのは、そうそうないと思います。
ただの勧善懲悪ではない。
大概子供向けの作品は、自分には殆どなんの犠牲もなく戦いが完結するものですが、全然違います。
ネタバレしても面白くないので、ここは是非自分の目で。
最後の1巻の為に前の11巻が存在すると言っても過言ではないでしょう。
その他、なかなか凝ったカメラワーク、演出。
そしてスーツアクターの素晴らしいアクション。
敵対する「アンデッド」の斬新なデザイン(本当に凄い)。
見るべき所は多いです。
個人的にはメインに出てくる喫茶店「ハカランダ」のオシャレな感じが好き!
ネタばれ→(あと、最後の切り札さんが黒い悪魔っぽいなーと思っていたら、最後に日本中にわらわらとコックでローチなあんちくしょうが沸いてきて、「そうだよな、やっぱ人類最大の敵ってアレだよなぁ」と納得してしまいました。)
ゴールデンウィークのお伴に、なんてことをすると無駄に終わりそうなので、空いた時間にボチボチとお楽しみ下さい。割と「ながら」でも大丈夫ですよー。
…………………………
さて、ここからが本番です。
ツッコミどころ満載仮面ライダー剣紹介ー!!
仮面ライダーブレイドといえば、役者の滑舌の悪さ。
「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」
「ダディャーナザン!!」
「オデノカラダハボドボドダ!」
「オレァクサマヲムッコロス!」
もう、ネタのオンパレード。
ネタのバーゲンセール。
本当にそう聞こえて調べてからネット上にあることが発覚したり、マジです、マジ。
こういうネタを探すために鑑賞するのもありでしょう。
あと、これはネットになさそうだから、自分が気付いたのをひとつ。
( 0H0) ← 仮面ライダーレンゲルってのがいるんですが、この方もなかなか愉快な滑舌をされていて。
とある回で、敵として自分のコピーを造り出されてしまうのです。
で、それに気付いて、怒りにわななきながら一言。
「コンビニのくせに……!!」
!?
一瞬耳を疑いました。
試しに字幕を表示すると、「コピーのくせに」とあります。
き、気のせいだよな、と巻き戻してもう一回。
「コンビニのくせに……!!」
!!!!!
ひどい!
あまりにもひどい!
笑わせていただきました。
あ、ちなみに、演技はもう……アレです。
うん。これはネタなので……って感じで。
個人的に主要キャラで演技が良かったと思うのは栗原天音(梶原ひかり)と山中望美(宮澤亜理沙)です。(選択がロリコン)
望美ちゃんみたいな健気で性格の良い娘は現実世界には存在しないのではないかと思います。
やばい、惚れるところだった。
で、次。
キャラクターの扱いについて。
仮面ライダー剣を見始めて最初に思ったのは、「主人公、弱ッ!!」ってこと。
仕事で仮面ライダーをやっているはずなのに、最初の敵に超苦戦。
敵対していた頃は、他の仮面ライダーに殴られ蹴られの暴行を受ける。
「俺と一緒に戦ってくウェェー!!」(殴
日常茶飯事です。前半では。
こんな主人公剣崎一真くん(ブレイド)でしたが、橘朔也さん(ギャレン)とも和解して、相川始くん(カリス)とも仲良くなってきます。途中からは上城睦月(レンゲル)くんが入ってきて、なかなか賑やかに。
ただ、最後の上城くんはなかなか厄介な事情があって、毎回毎回ヘタレ役に終始しています。可愛い彼女がいるのに物語での扱いはかなり非道い、というか最後の方まで放置されすぎ。
しかし、本当に可哀想なのは橘朔也さんです。
『ケロロ軍曹』に触れられた方になら分かる例えをしましょう。
この人、ギロロです。
= かませ犬
ヤヴァイ。
信じたものに裏切られすぎ。
とりあえず最初に突っ込んで返り討ちに遭いすぎ。
信念が強い故に同調した(と思いこんだ)人間に騙され、結果的に流れを悪くしています。
とても大切なものを失っちゃうしね。(本編参照)
序盤では重要な役どころだったのに、徐々に「状況をかき混ぜるのにうってつけ」とでも言わんばかりに酷い扱いです。可愛そうです。
でも、一番可愛そうなのは、序盤のとある事情でお亡くなりになる女性です。
生きている間は本ッッ当に報われません。
見ているだけで悲しくなって泣けてきました。
あと、始の帰りを待ち続ける天音ちゃんとか、おかしくなっていく睦月をずっと信じ続ける望美ちゃんとか、この作品全体的に女性キャラが不遇です。
多分ファン泣かせだろうなぁと思います。
最後。
仮面ライダー剣の別の見方。
平成仮面ライダーは、一時期、妙に「イケメン志向」でした。
おばさんウケが良いように、主要人物を男前で固め、地の部分(日常など)はおばさんが萌え、戦闘シーンはお子様が燃え、どちらも満足利害一致な非常に合理的(?)な構成です。
個人的には悪くないと思います。親も一緒に楽しめるって、重要ですしね。
このブレイドも例に違わず「イケメン志向」なのですが、これが、途中からとんでもない方向に走っているように、(見方によっては)感じられてきます。
はい。
「BL」です。
「やおい」のほうが正しいかもしれない。
考えたら、助け助け合いって、体の触れ合いなのよね。
妙に親密な状況だと、視点を穿ちすぎると大変な様相を呈してくるわけで。
本編にて垣間見えた、とても分かりやすい部分を少し紹介します。
とある場面で、橘さんは所属している組織の上司に出会います。
彼は剣崎くんを捕まえるために立花さんの協力を求めました。
そして、言われるがままに橘さんは剣崎くんを探します。
「剣崎の躰は俺が預かる!!」
あえてエロティックな感じに変換してみました。
でもまだこれは序の口。
本当に問題なのは、剣崎くんが捕まってしまった後の、橘さんと上司の会話です。
橘さんは尋ねます。
「剣崎は、どうしたんですか?」
すると、うっすらと顔に笑みを浮かべ、
「剣崎くんは、わたしのベッドで眠ってしまったよ……」
せ、正義のヒーローがぁぁぁ!!!!
大変です。
剣崎くんがやられてしまいました。
ウホッ!
おばさんが喜ぶってか!
ここから私の仮面ライダーブレイドを見る目は完全にそっち方面へ焦点変更。
大変だ。
特にギリギリな発言もなかった(はずの)剣崎くんが、剣崎くんが!
しかし、剣崎くんは何とか危機を脱し(別に痔にはなっていなかったようだ)、再びアンデッドとの戦いに身を投じます。
バトルファイトも終わりを迎えようとしています。
「そっか……一時期は危なすぎる方向性だったけど、どうにか子供向けで終わってくれそうだなぁ」と安堵していました。
だがしかし、最終巻。
剣崎くんが、始に向かって一言。
「寂しいこと言うなよ。俺たち、けっこう濃い付き合いをしてきたじゃないか」
剣崎くーーーーーん!!!!
危ない。
危なすぎるよその発言。
しかもちょっとニヤニヤしながら言うから怖いんだよ。
ノンケだと信じていたのに、最後にそんなボロを出すなんて……。
ここで、お相手の始くんはどうだったかというと、「気色悪いことを言うな」と一蹴。
よかった。彼はまともです。
と、言いたいところですが。
彼は前の感想で書いたように、小学生の天音ちゃんに萌え萌えです。
天音ちゃんを人質にされ、カッとなってから一言。
「どうしてだ……あの子のことになると、俺は冷静さを失う……」
病院行け。
みんな良い感じに狂ってますね☆
……以上です。
こんな感じで、もう懐かしいともいえる作品「仮面ライダー剣」は、今の自分が真剣に見て、非常に楽しめる作品でした。
純粋にストーリーを評価すると、終盤は本当に面白かったと言えるし、終盤のためにそれまでの冗長さも許せます。パッとでてパッと消えて、最後だけ都合よく出てくるキャラクターも、うざくはないだけ大丈夫だと思います。
ビジュアル関連は、戦闘シーンにおいてトドメが似たものばかりという欠点がありますが、アクションそのものは素晴らしいので大丈夫。たまにお洒落なロケ地が出てくるのでそこが良かったです。
ネタとして評価すると、最後に書いた「男同士のアレコレ」だけでも十分かと。
それに加えて滑舌や子供向け特有の「リアリティの欠如」に対するツッコミが出来るんだから、その手のエンターテインメントとして最高でしょう。
「何度も見よう」という作品ではありませんが、「見てよかった」と思っています。
本当に楽しませてもらいました。
良い作品です!
穿った目つきで眺めれば、どんどんネタが発掘される。
そんな子供向け特撮ヒーロー「仮面ライダー剣」。
よろしければ、どうぞです。